



















~ 神奈川の力を被災地に ~
3月2日、綾瀬社会福祉協議会でおこなわれた「あやせ市・東日本大震災復興支援事業報告会」。
あやせ災害ボランティアネットワーク(以下、あやせ災ボラ)副代表、佐竹和平さんの呼びかけで、あやせ災ボラ、綾瀬青年会議所(以下、綾瀬JC)、綾瀬市社会福祉協議会(以下、綾瀬社協)のメンバーを中心に11名が集まった。
綾瀬JCからの報告<綾瀬JC専務理事・大久保豊さん>
綾瀬では、大震災発生3日後の3月14日に綾瀬JC、あやせ災ボラ、商工会青年部、綾瀬アカデミー4者で「『東北地方太平洋沖地震(当時)』復興支援あやせプロジェクト」を立ち上げた。呼びかけは綾瀬JCがおこなったが、日頃、地域内で顔の見える関係を構築していたため、自然発生的にすぐにプロジェクトができたという。
3月16日には義援金募金箱を市内の飲食店・商店に設置、19,20日には街頭募金活動を実施、365,423円の募金が集まった。子どもや若者からの募金も非常に多く、活動を迅速におこなった手ごたえを感じたそうだ。
その後、日本JCからの依頼に従い、救援物資の集荷、南相馬市・いわき市への人的支援活動をおこなう一方、市内での支援活動として、節電ポスターを制作・市内企業や店舗などに無料配布して節電を訴え、復興支援ステッカーを市内飲食店、商店で販売、義援金を集めた。最終的に総額は1,161,369円となり、義援金は日本JCを通じ復興支援にあてられたほか、綾瀬JCの支援活動費として使用された。
綾瀬社協からの報告<地域福祉班長、社会福祉士・石橋正道さん>
綾瀬社協では、3月19日に市民部長より被災者受け入れのためのボランティア派遣要請があり、綾瀬市役所内に「災害救援ボランティアセンター」を立ち上げた。
今回は結果的に、7日間のみのボランティアセンターの運営になったが、県内避難者の対応及び支援物資の仕分けに、のべ84名のボランティアが活動した。
石橋さん自身は、神奈川県社協からの要請による職員派遣で、6月2日~8日の7日間、釜石市災害支援ボランティアセンターで業務を行った。県社協の職員派遣は、県内の社協で順番に回ってきた。石橋さんは第15クールだったことで、それまでの職員からの引き継ぎデータが豊富で派遣先で困ることはなかったという。
1クールの派遣人数は10名で、主な業務はボラセンでの受付、ニーズ聞取り、現地調査、イベント・炊き出しの調整、広報紙の作成、ブログの作成、生活福祉資金窓口など、多岐に渡った。
また市内では、7月下旬から8月上旬にかけて、綾瀬市災害時ボランティア活動連絡会議(災ボ連)と共催でボランティアバスパックを企画。2便で計40名のボランティアを釜石市に派遣した。バスの申込みは即日で埋まった一方、現地での瓦礫撤去等の活動が減ってきている時期であり、ボランティアと被災地ニーズのミスマッチングが発生して来たことを感じたという。
災害ボランティアセンターの立ち上げ訓練<神奈川県が被災した場合を考えて>
綾瀬では、あやせ災ボラ、綾瀬社協、綾瀬市赤十字奉仕団、綾瀬市ボランティア連絡会で、綾瀬市災害時関連団体連絡会議(災ボ連)を実施している。
災ボ連では2カ月に1回定例会議を、年に1回災害ボランティアセンターの立ち上げ訓練をおこなっている。昨年は大震災の対応で訓練を実施できなかったが、今年は3月24日に実施予定。例年は50人ほどの参加だが、今年は100人近くの市民が参加する見通しだという。
訓練を行うごとに、綾瀬市内での緊急対応マニュアルの見直しをおこなっており、今回の訓練は釜石市ボラセンでの活動をふまえたものになる予定だ。
今後の活動について<継続支援に向けて>
ニーズの変化にともない、大人数のボランティア派遣が受け入れ側に迷惑がかかる場合もあることを感じているという綾瀬市。
綾瀬市商工会青年部が去年8月に行った「東日本超復活祭」のような、在京の東北人会と協力した物産展や被災3県出身者との親睦会、チャリティーイベントによる募金集めなど、無理のない経済支援を続けて行きたいと考えているそうだ。
参加した感想として一番に感じたのは、綾瀬の地域内での行動の迅速さと、現地での活動を地元に反映させるためのシステムが整っていることは、今後の防災に非常に役立つだろうということだった。これは、団体同士の顔の見える関係を、日頃から築いているたまものであろう。
今後の綾瀬の活動にも期待をしたい。
(情報活用コーディネーター 吉田和史(カール)、山根麻衣子)
【関連リンク】
綾瀬社協のブログ(3/2報告会の様子)