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はてなブックマーク - 【第1回報告会】陸前高田市バスツアー参加者らが今後の支援を考える

AidTAKATAとかながわ東日本大震災ボランティアステーションは18日、神奈川大学横浜キャンパス(横浜市神奈川区六角橋3-27-1)で、ワークショップ、「これからの陸前高田支援を創る」を開催しました。同イベントには、幅広い世代・職業の50人が参加、今後の継続的な支援についてテーマ毎に熱心な議論を展開しました。
陸前高田バスツアーの報告や、現地と電話をつないでの質疑応答、4つのグループに分かれてのワークショップなどを通して、「復興支援」の今後について参加者同士で意見を深めました。

第1部では、11月26日~28日に行われた陸前高田へのバスツアーを終えての、NPO法人Aid TAKATA東京事務局長・阿部廣宣さんから陸前高田への支援に対するお礼と今後、ツアー参加者の船本由佳さんが、ツアー内容の報告をしました。

阿部さんからは、多くの首都圏のボランティアが陸前高田へ足を運んだことへのお礼と、自身の出身地であるかつての陸前高田の美しい姿、そして今住民たちは、原発問題ばかりが取り上げられ、自分たちが忘れられてしまうことを非常に恐れていること、今後も様々な形で陸前高田に関わって欲しい旨が伝えられました。

陸前高田の過去、現在、未来を話す、Aid TAKATA事務局長阿部さん

陸前高田の過去、現在、未来を話す、Aid TAKATA事務局長阿部さん

「(震災から半年以上経って)やっと悲しみが湧いてきた」。現地の方がそう話していたことが心に残ったという船本さん。震災から8か月以上が経ち、現地のニーズが変わってきていることを、体験をもとに丁寧に語ってくれました。

特に強く感じたのは、個人対個人の支援の必要性だといいます。「支援物資で多くのものが賄えるようになったが、逆に欲しいものがあっても『これが欲しい』と言いづらい」という現地の方の声や、「同じく被災している先生や大人には、遠慮して相談ができない」という高校生の話を聞くうちに、団体単位では支えられない部分に気が付いたのだそうです。話の終わりに船本さんは「個人同士がつながった『ゆるい親戚関係』を作ることが理想なのではないか」と提案し、継続的で親身な支援の重要性を訴えていました。

陸前高田でのワークショップの様子

陸前高田でのワークショップの様子


その後、会場となった神奈川大学の学生から、「本の虹プロジェクト」をはじめとする、同大学藤本ゼミナールの被災地支援の報告がありました。ボランティア活動を行ってきた感想として、「支援する側が元気じゃないと支援する意味がない」という言葉には説得力がありました。

現地と電話を繋いでの質疑応答では、AidTAKATAの菅野塁さんが、12月に開局した災害FMの市議会中継への反応がいいこと、近くのスーパーで買い物をできるようになったこと、自分が住んでいる仮設住宅以外の名簿は確認ができず、知り合いの居住場所は人づてに聞くしかないことなどを報告しました。

AidTAKATA陸前高田事務所と電話をつないで質疑応答中の様子

AidTAKATA陸前高田事務所と電話をつないで質疑応答中の様子

続く第2部は、具体的な支援プランを練るワークショップ。4つのテーマ(「教育」、「情報発信」、「生活支援」、「他団体協働」)でグループに分かれ、新しく生まれてきたニーズと、そのニーズを実現していくアクションプランについて、意見を出し合いました。
各テーブルで議論は白熱し、具体的なプランを練り上げるには至りませんでしたが、各テーマの参加者で連絡先を交換し合い、今後プロジェクトチームとして動いていくための基盤をつくりました。

ワークショップの様子。首都圏の支援者、陸前高田出身者が共に体験をシェアし合う場となった

ワークショップの様子。首都圏の支援者、陸前高田出身者が共に体験をシェアし合う場となった


終了後も参加者の多くが会場に残って意見を共有したり、連絡先の交換をしたりと、積極的な交流が見られました。
(編集チーム 森田 直)

※なお、このイベントの様子は、こちらのユーストリームチャンネル内「【AidTAKATA・ボランティアステーション共催】「これからの陸前高田支援を創る」報告会、ワークショップ」でもご覧いただけます。

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